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仕分け劇場に暗雲 民主・尾立議員、会社経営に“介入”?(産経新聞)

2010.05.21.11:24

 ■本人否定も…微妙な「権限」

 支持率低迷にあえぐ鳩山政権の“切り札”と言える政府の事業仕分けで、18日、思わぬ騒動が持ち上がった。仕分け作業の中枢メンバーである尾立源幸(もとゆき)参院議員(民主党)が4月末、西日本高速道路(大阪市)を訪れて現地調査し、批判したことが「圧力ではないか」と問題視された。尾立氏も会社側も「圧力」を否定するが、「仕分け」という錦の御旗があれば、何でもできるのかという「権限」の問題が以前から指摘されてきた。鳩山由紀夫首相が支持率回復へのいちるの望みを託す仕分け劇場にも、暗雲が漂っている。

                   ◇

 「(会社内の対立の)構造にボクは入っちゃったわけです」

 尾立氏は18日、産経新聞の取材に対し困惑の表情を見せた。

 尾立氏や西日本高速道路の説明によると、発端となったのは、同社の子会社のテナント選定で不正があるなどとする月刊誌の報道。同社は4月下旬、記事の真偽を確認するため外部有識者による調査委員会を設置した。

 尾立氏は4月30日、事業仕分けのヒアリングとして同社を訪れた。その際、同社が調査委を設置したことについて、「拙速ではないか」などと批判。これは、会社経営への“介入”や仕分け人の権威をかさに着た“圧力”だと受け取られかねない微妙な行為だった。

 尾立氏は「調査の対象は聖域なくやる。洗い出しは任されている」と視察の正当性を強調。「『調査委員会をひっくり返せ』とか『辞めろ』とは言っていない。高速道路という国民の財産を監視する上でおかしくない」と反論する。

 ただ、枝野氏は5月18日の記者会見で、「誤解を招かない対応をお願いしているし、今後も現場調査では十分留意するよう徹底したい」と話し、慎重な対応を求めた。

 今回の騒動で見えてきたのは、法的権限がはっきりしない仕分け人が、国家予算そのものや国家予算に基づく事業に大ナタをふるうことの危うさだ。

 平成22年度予算を対象とした昨年秋の事業仕分け第1弾では、スーパーコンピューター開発事業など科学技術予算にも躊躇(ちゅうちょ)なく「縮減」判定を下したが、ノーベル賞受賞者の猛反発を受けた。結局、実際の予算編成では予算の「復活」を認めざるを得ず、仕分けの限界を示す結果となった。

 20日から始まる仕分けの対象となる70の法人は、政府の一定の関与があるとはいえ民間団体だ。このため、刷新会議内でも「民間を相手に政府がどこまで口出しできるのか」(関係者)という消極論が当初から存在した。

 にもかかわらず、政府が仕分け作業に入るのは、夏の参院選を見据え、「少しでも世論の評価を得たい」(政府関係者)という打算がある。特に米軍普天間飛行場移設問題や「政治とカネ」問題で窮地が続く政権にとって、唯一の光明だ。

 事業仕分けへの国民の支持は高いが、仕分けが内包する問題点を検証する必要がありそうだ。

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